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「門前そば 菊屋本店」創業150年 戦時中も配給で仕入れた食材使い休まず営業

「門前そば菊屋本店」5代目の山藤諭さん(右)と妻の美枝さん(左)

「門前そば菊屋本店」5代目の山藤諭さん(右)と妻の美枝さん(左)

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 足利の「門前そば 菊屋本店」(足利市家富町2)が3月、創業150年を迎えた。

看板メニューの「天もりそば」 胃もたれしにくいヘルシーな油「綿実油(めんじつゆ)」を使用

 同店は1870(明治3)年、「菊屋」(通1)の名で山藤宗蔵さんが創業し、現在6代目まで継承されている。限られた食料しか手に入らない戦時中も、配給で仕入れた食材を使って営業を続けた。2000(平成12)年3月、5代目の山藤諭さんから息子の和勇さんへ店主を継承すると同時に家富町に移転。リニューアルオープンをきっかけに、「ここでしか味わえないおいしさを、より追求しながら営業している」という。

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 諭さんは1977(昭和52)年、美枝さんとの結婚を機に5代目を引き継いたが、当時、洋食の調理経験しかなかったため一から和食の調理を学んだ。現在は6代目の和勇さんと親子2代で店を切り盛りしている。

 「少しでもおいしいそばを提供できるように」と年2回、夏と秋に仕入れる国産そば粉は必ず試食し、香りや甘味の強いものを厳選しているという。今季は北海道赤城産のそば粉を使っており、秋は「足利産そば粉」を使ったメニューの提供も始める予定。独特の苦味を持つ韃靼(だったん)そば目当てに訪れる客もいるほど。だしは「深みのある味わい」を出すため、2種類のかつお節と昆布を使っているという。

 看板メニューの「天もりそば」(1,450円)の他にも、季節のメニューを豊富に用意。夏には荒く擦った大根おろしに大葉やミョウガなどの薬味を添えた「梅おろしそば」(1,200円)、秋冬には豚肉やゴボウ、ニンジン、キノコなどの秋の味覚が味わえる「肉汁そば」(1,180円)を提供。新そばの時期には期間限定で「十割そば」もそろえる。

 美枝さんは「コロナ禍で客足がこれまでにないほど減った期間もあったが、乗り越えた今はどんなことがあっても大丈夫と思えるようになった」と振り返る。今後について、和勇さんは「150年続いた店を後の代に引き継いでいけるよう営業を続けていきたい」と話す。

 営業時間は11時30分~15時。そばが無くなり次第終了。水曜定休。