足利のレンタルスペース「イズミヤニカイ」（足利市通3）が1月25日で1周年を迎えた。

「イズミヤニカイ」で過去に開催されたイベントの様子

　同施設は通常シェアオフィスとして運営されており、イベントスペースとしてレンタルが可能。「イズミヤニカイ」は、1階にある「ワインショップ和泉屋」にちなんで名付けた。

　運営するのは「SpearMint」代表の鶴見裕也さんと、「U建築工房」社長の丸山裕平さん。鶴見さんは足利市出身のグラフィックデザイナー。東京へ進学後、都内のデザイン制作会社に就職し、結婚を機に独立。同市への移住を視野に入れながら埼玉県との2拠点生活を経て、2020年5月に移住した。丸山さんは足利市出身の建築士。東京へ進学後、都内の設計事務所に就職し2010（平成22）年、実家の工務店を手伝うため足利へUターンした。鶴見さんと丸山さんは行きつけのカフェで意気投合し、シェアオフィスを立ち上げるに至った。

　イベントスペースは新型コロナウイルスの影響により、レンタルの実績が予想より少なかったという。開催されたイベントは「ほろ酔いウォーク」「もんぺとカゴと、それから珈琲。2020夏。」「キタナカモール」の3件。「キタナカモール」の一環として開催された「足利よりみちプロジェクト」が制作したMAP展示では、ワークショップ参加者が交流する光景や初めて施設を訪れた人の姿に、「これが『イズミヤニカイ』が目指すものだと感じた」と鶴見さんは振り返る。

　鶴見さんは「建築とロゴなどのデザインで、丸山さんと共同の仕事を頂くことがあり、オフィスをシェアするメリットを実感した。この場所に集まる人たちの気持ちが、新しい縁によって、より豊かに彩られれば。そのような場所になれるよう努めていきたい」と話す。丸山さんは「建築で足利に何ができるか、と探している中で鶴見さんと知り合い、オープンに至った。新型コロナウイルスの影響もあるが、外にもっとアピールが足りていないのでは、と反省している。セミナーやワークショップなど、地元の人が集まって新たな関係性を生み出せる場所を提供していきたい」と話す。

　レンタルは土曜・日曜・祝日限定。現在はコロナ禍により営業を休止している。