企画展「8人の写真家たち『船曳由美-小さきコレクション』を核として」が現在、足利市立美術館(足利市通2)で開かれている。
船曳由美さんは東京都出身。1962(昭和37)年に大学を卒業し、編集者として平凡社や集英社に勤務した。母のテイさんが高松村(現・足利市高松町)出身で、船曳さんは戦時中、足利に疎開した経験を持つ。2010(平成22)年、母の証言を基に明治末期から平成までの足利の暮らしをつづった「100年前の女の子」を出版した。
同展では、写真家の土門拳、石元泰博、薗部澄、井上博道、比嘉康雄、江成常夫さん、みやこうせいさん、大村次郷さんの8人の作品や写真家との交流の中で船曳さんの手元に集まった焼き物や織物などが並ぶ。船曳さんから2024年5月、同館に版画等70点、2026年6月に写真や古美術など397点が寄贈された。今回はこのうち写真310点、ゆかりの品など100点、計410点を展示する。
会場には、写真家との出会いや制作の背景を船曳さんが振り返った言葉を記したパネルも並ぶ。ツバキの絵柄が目印で、土門に東大寺のお水取りの撮影を依頼した際のやりとりを紹介するパネルでは「お前って変なやつだなぁ、気に入った」と言われたエピソードが記されている。
同館学芸員の江尻潔さんは「編集者という仕事は全人格で著者や写真家を引き受け、良い作品を世に出す使命に燃える。そうすると自然に、あなたなら大事にしてくれると物が集まってくる。写真が撮られた背景にある、目に見えない文脈を感じてほしい」と話す。
開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。月曜(祝日の場合は翌平日)休館。観覧料は、一般=1,000円、高校・大学生=700円、中学生以下無料。12月27日まで。