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足利でカスリーン台風慰霊祭 71年前の大水害、犠牲者の冥福祈る

慰霊の地蔵、供養塔とシンボルタワー

慰霊の地蔵、供養塔とシンボルタワー

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 カスリーン台風の犠牲者を悼む慰霊祭が9月15日13時から、渡良瀬川岩井橋北側堤防にある地蔵前で営まれる。

足利市の被災当時の様子。カスリーン台風による洪水で多くの尊い命が失われた

 1947(昭和22)年9月15日前後に関東地方を襲ったカスリーン台風による記録的な豪雨で渡良瀬川堤防が決壊し、利根川水系全体で約1100人の死者・行方不明者を出した。そのうち被害の大きかった足利市では市内全体の約8割が床上浸水だったとされ、死者・行方不明者は321人に上った。

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 慰霊祭は毎年9月15日、遺族や地元住民でつくる慰霊碑保存協議会などが営んでいる。同協議会の会長を務める徳蔵寺(猿田町)住職、源田晃澄(こうちょう)さんは30年ほど前から犠牲者特定の調査を進め、現在321人の名前が慰霊碑の裏に刻まれている。

 源田住職は当時4歳で被災。濁流が押し寄せる中、屋根裏に家族と避難していて無事だった。遺体安置所となった同寺院の境内に遺体が次々と運び込まれる被災直後の悲惨な現場を、今も鮮明に覚えているという。「西日本豪雨による洪水があったが、自分の経験と重なる。被災者として水害の恐ろしさ、教訓を伝えるための活動を続けていく」と話す。

 カスリーン台風から70年の節目を迎えた昨年、国土交通省は源田住職の体験談をまとめた冊子を作成した。遺族や被災者の高齢化が進む中、突如命を奪われた犠牲者を思いながら今年も慰霊碑に祈りをささげる。