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足利で版画家・画家、加納光於さん作品展 独自の手法で制作

大川さんから借用した「遥かなる歌声」

大川さんから借用した「遥かなる歌声」

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 版画、絵画の領域で独自の世界を切り開いてきた加納光於(みつお)さんの作品展「1958-2019」が9月30日、「artspace&cafe」(足利市通2)で始まった。

「加納光於作品展」の様子

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 加納さんは1933(昭和8)年、東京都生まれ。1953(昭和28)年に独学で版画を始め、顔料から溶剤まで全てを自身で調合する独特の手法で作品を制作。近代日本を代表する美術評論家の瀧口修造に見いだされ、1956(昭和31)年に「タケミヤ画廊」で初個展を開いた。1959(昭和34)年の「第3回リュブリアナ国際版画ビエンナーレ展」では「リュブリアナ近代美術館賞」を受賞し、その後も国内外で展覧会を開きながら数々の賞を受賞。80代になった現在も、精力的に制作活動に取り組んでいる。

 同展では、加納さんの作品を管理する「ギャルリー東京ユマニテ」(東京都中央区)や、作品を所有する大川博さんに協力を依頼。作品は、1958年~2019年までに制作したモノクロームの「銅版画」や、絵の具を油で溶いて描写するカラーの「油彩」など22点。カタログ・レゾネに載っていない貴重な作品1点も展示する。

 「artspace&cafe」店主の岩本圭司さんは「加納さんの魅力は、現代アートの領域で版画という手法を用いて常に実験的なことをしてきたということ。『常に真剣に新たなものを発掘したい』という思いが表れていて、深みと強さを感じる。その辺りを見ていただけたら」と話す。

 営業時間は11時~18時。月曜・火曜定休。10月18日まで。

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