企画展「乾久子 透過する視点」が10月24日、「artspace & cafe」(足利市通2、TEL 0284-82-9172)で始まった。
乾久子さんは静岡県生まれ浜松市在住。東京学芸大学大学院修士課程を修了し、1990年代後半から作家としての表現活動を始めた。心身から線を生み出すドローイングを制作の基本とするが、表現方法は多岐にわたる。2018(平成30)年には、市内の古民家等を利用したアート展「CON展」に参加した。ほかにも、「ことばと絵で人と人とをつなぐワークショップ『くじびきドローイング』」を全国各地で展開しており、市内でも2度の開催実績がある。
同展は、会場中央の上部の空間を生かし、50メートルロールのふすま紙に描かれた大型作品「気象あるいは水のことば」を展示するほか、「コロナ禍で外部からのきつい言葉があふれるなか、『自分の』言葉を探そうとするイメージ」で半透明のユポ紙に水性クレヨンで描いたという作品群「ことばのまわり」、水彩紙に細いボールペンの線で描き込まれたドローイング作品、ガーゼや晒(さらし)布などに絹糸の刺しゅうを施した作品など約40点を展示する。11月7日には、美術家のさとう陽子さんとのトークショーも予定する(要予約)。
初日に在廊した乾さんは「1本の線から始め、次の線が生まれる。イメージからイメージへと膨らませるような形でドローイングが生まれている」と話す。「来てくださった方、それぞれが作品を読み解いてもらえれば。作品を見ることで、流れる『時間』を意識してもらえたら」とほほ笑む。
営業時間は11時~18時(最終日は16時まで)。月曜・火曜定休(祝日の場合は営業・翌日休)。11月8日まで。