10月12日に上陸した台風19号による被害状況まとめを12月20日、足利市危機管理課が発表した。
足利市南部クリーンセンター(野田町)で 災害ボランティア活動の様子(写真提供=足利市)
人的被害は死亡1人、中等症(生命の危険はないが入院を要すること)2人。住居被害は大規模半壊=58件、半壊=366件、一部損壊(準半壊)=8件、一部損壊(10%未満)=361件の計793件だった。
道路冠水は271件。その他、非住家被害45件、崖(土砂)崩れ51件、河川被害69件、橋りょう被害12件、排水・用水等溢水(いっすい)116件、倒木11件など。
被害総額は約88億6,000万円。内訳は商工業=約70億円、農林業=約8億6,600万円、水利施設=約2億円、公共施設=約1億5,800万円、インフラ=約5億7,800万円、消防自動車購入等=約5,600万円。
証明書の受付状況は罹災(りさい)証明書交付件数が832件、被災証明書の交付件数が673件。
ふるさと足利応援寄付金受け入れ額は1,300万4,362円(401件)。足利市災害義援金受け入れ額は、栃木県災害義援金4,386万8,290円を含め5,653万9,666円(124件)。
土砂災害のため人的および住家被害の恐れがある地域に出された避難勧告は、現在月谷町の一世帯のみ継続して発令中。その他の地区はすでに解除されている。
住家が被災した世帯の世帯主に対し、災害見舞金を支給する災害見舞金申し込みは519件。被災した自動車の購入または修繕に必要な経費の一部の補助は261件。住宅支援として、住宅が浸水等の被害で罹災証明書の交付を受け、市営住宅に入居しているのは28件。建築住宅課の松場政芳さんは「現在住めない状況の住宅が直るまでということで最長1年、緊急的に入居していただいている」と話す。
床上浸水等により緊急に支援を求める人を対象に、自治会の要請に基づき、多い日で同市職員120人を派遣し支援を行った。10月16日から災害ボランティアセンターを設置。派遣人数は累計1808人。活動は主に災害ゴミの除去、搬出、回収及び受け入れ・床上浸水宅の汚泥の除去。災害ゴミの発生量見込み7,500トンのうち、処理量は約1,250トン(約17%)。社会福祉協議会の赤坂誠さんは「多数の災害ボランティアの協力を得られたことから、現在は依頼が落ち着いてきている。社会福祉協議会に登録している災害ボランティア60人が対応している状況」と話す。