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足利の「お米ぱん 八」が営業再開 台風19号による被災から2週間

「お米ぱん 八」外観

「お米ぱん 八」外観

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 10月12日に上陸した台風19号で被災した米粉パン専門店「お米ぱん 八」(足利市大久保町)が10月26日、営業を再開した。

シェフの小松原奈美さん

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 同店を含む毛野地区は市内で最も被害軒数が多く、住宅89軒の床上浸水や20軒の床下浸水などがあった。床上浸水の被害を受けた同店シェフの小松原奈美さんは「数年前のゲリラ豪雨で厨房が浸水しそうになった経験があり、当日は18時以降何度も店を確認しに行った」と振り返る。

 12日の真夜中頃に雨が止んだ後、翌2時頃には店の東側の道路が川のようになった。南側にある空き地からも水が来始め、それから15分ほどで厨房には膝の半分ほどの高さまで水が入ったという。6時頃に水は同じ敷地内の自宅近くまで来て止まり、自宅に被害は無かったが「避難道具をガレージの車の中に置いていて取り出せなかった。台風で車中死した方がいたと聞き、改めて防災を考え直す必要があると強く感じた」と話す。

 翌日、復旧作業を開始した。店の備品を全て外へ出して乾かし、使えなくなったものは処分し、使えるものは消毒して戻す作業を行った。小松原さんは「機械や粉などはあらかじめ高い所や別の場所へ移動しており、泥が入らなかったため致命的な損害は無かったが、作業を進めていくうちに被害の実態が見えてきて、何度も心が折れそうになった」と話す。災害ボランティアには依頼せず、家族のみで片付けを進めた。

 停電はしなかったため、通販の利用客への連絡やSNSでの休業告知をすぐに行うことができ、客からは「八のパンが大好きだから頑張って」などたくさんの温かいメッセージが届いた。小松原さんは「自分たちの仕事の意義を改めて感じさせてくれるような言葉に力をもらった。店舗再開の日にはたくさんの方が来店してくれ、あふれんばかりの愛を頂いた。これからはこちらがお返しできるようパン作りをしていきたい」と話す。

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