「ガチャマンラボ」(足利市山川町)が6月、自社工場で織ったシルク生地を使った「夏仕様マスク」の販売を始めた。
同社は2013(平成25)年、社長の高橋仁里(きみさと)さんが創業。江戸時代から足利で生産されてきた、絹を素材とした先染めの平織物「足利銘仙」をアレンジした商品開発を行っている。社名の「ガチャマン」には、織機を「ガチャン」と動かす度に万単位でもうかるように、との意味がある。
高橋さんがマスクの製造を始めたのは、娘のアレルギーがきっかけだった。化学繊維や加工剤が肌に合わない娘のために、シルクと銀でマスクを製作。銀によってキラキラと光るマスクが幼稚園の子どもたちに人気となり、口コミだけで300枚以上の注文を受けた。マスク用のシルク生地には、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、出荷できなくなった絹糸を使った。
シルクマスクの販売を始めてからも試行錯誤を繰り返しという。高橋さんは「シルク、リネン、オーガニックラミー、アイスコットン、純銀や銅の糸など、全て生地からオリジナルでマスク約20種類を試作した」と笑う。今回で第3弾の販売となる「夏仕様マスク」は以前の物に比べ、呼吸がしやすい形状に改良。内側は、汗をかいてもベタつきにくい麻をシルクに織り込んでいる。
高橋さんは「現代は化学繊維の製品が多く流通している。天然繊維のシルクは肌の成分に近いアミノ酸が豊富で肌に優しい。マスクを通して天然繊維の良さを伝えられたら」と話す。
サイズはS、M、Lの3種。白、ピンク、白×グレー絣(かすり)の3色展開(各1,400円)。同社ホームページ、「Rancontrer(ラコントレ)ショールーム」(芳町)で扱う。