足利市内で発生した7月17日夜から18日にかけての記録的大雨で松田川や支流の彦谷川などが越水した市内西部の坂西地区では20日、市内外から約100人の災害ボランティアが駆けつけた。
同市発表の21日12時現在の被害状況は、死亡2人、救急搬送1人の人的被害のほか、住家被害が全壊1件、床上浸水80件、床下浸水80件、一部損壊62件の計223件。道路被害314件、住宅以外の建物被害40件、崖崩れ62件、車両被害20件など合わせて724件。17日15時から18日10時までの19時間で観測された総雨量は236ミリだった。
坂西地区の住民によると、17日夜に松田川や支流の彦谷川などで水があふれたという。低所に水が集中し、浸水は多いところで成人男性の膝から胸の高さの最大約1.5メートルに達した。
足利市消防団第16分団の阿部貴光分団長らは17日21時ごろに自主判断で出動し、21時30分ごろ、土のうを届けるために現地へ向かったが、既に膝の高さまで水が来ていたため浸水が始まった住宅にたどり着けず、安全上の判断で断念。車両誘導に切り替えたという。団員が2人1組で冠水箇所に立ち、これ以上車が侵入しないよう誘導した。最大13人が出動し、水が引き始めた18日1時30分まで活動を続けた。
気象庁が関東地方の梅雨明けを発表した20日、栃木県商工会青年部連合会の約60人を含む約100人のボランティアが市内外から駆けつけ、浸水家屋で水にぬれた家財の運び出しや泥のかき出しなどに当たった。足利市坂西商工会青年部の瀬谷直人部長は「まちのため、仲間のために、協力してくれたことに感謝しか出てこない」と目を細める。
松田川沿いに住む川岸正雄さんは17日21時ごろ、帰宅してテレビを見ようとしたところ、掘りごたつの足元にしみ込む水で異変に気付いた。畳が「船のように」浮き上がり、浸水の痕が室内の壁に残る。けがで治療中の妻を背負って階段まで運び、2階で一晩明かしたという。自宅の畳20畳は全て廃棄した。
石井真希さんは17日夜、外出先の市外で祖母から「家に水が入ってきた」と連絡を受けたが、自宅付近に到着した22時30分ごろには胸の高さまで増水し、すぐに帰宅できなかった。築約3年の自宅は床上浸水し、車2台は廃車に。「電気と水道は使えるようになったが、給湯器が水没してお湯が出ない。元の生活に戻るには長い時間がかかる」と話していた。