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足利のバーテンダーがカクテル大会優勝 日本代表として世界一を目指す

「猫又屋」店主の新井洋史さん

「猫又屋」店主の新井洋史さん

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 足利のバー「猫又屋」(足利市家富町)の2代目店主・新井洋史さんが9月21日、東京都で行われた競技会「フロール・デ・カーニャ サスティナブル カクテルチャレンジ」日本大会の初代優勝者に選出された。

カクテルを注ぐ竹製のグラスは、新井さんが加工した

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 30カ国のバーテンダーがラム酒「フロール・デ・カーニャ」を使い、地産地消の素材、食品廃棄物やフードロス素材など、資源の持続可能性をストーリーにしたオリジナルカクテルレシピで競う。日本大会で優勝した新井さんは足利市出身。創業者でバーテンダーだった父親の影響を受け、5歳頃から飲食業を志した。1995(平成7)年から同店で働くとともに、当時、横浜市中区にあった「BAR UNTOUCHABLE(バー アンタッチャブル)」で修業し、腕を磨いたという。

 日本大会で優勝したカクテル「EVERGREEN(エバーグリーン)」は、「現在の日本の実情」「食用としての素材の可能性」を日本から世界に発信したいと、約2カ月かけて考案。材料には、足利市の農家で間引きされた「摘果(てきか)みかん」、群馬県桐生市で養蚕業の衰退に伴い野生化した桑を使った「桑茶」、「ココ・ファーム・ワイナリー」(田島町)で排出されるブドウの搾りかすを使う。カクテルを注ぐ竹製のグラスは、県内の材木店が間引きした竹を自ら加工した。

 新井さんは「国内大会から世界大会まで同じカクテルで勝負するためには、日本人であるアイデンティティーを生かすカクテルで挑みたいと思った。まずはSDGsを理解し、サステナブルな材料をいくつも探した。輸送時に排出されるCO2削減のため地産地消にこだわり、地元の企業と力を合わせ、廃棄素材の有効利用をカクテルとして表現した」と話す。

 新井さんは今月27日、タイで開催されるアジア太平洋大会に出場する。世界4つの地域大会で選出された地域代表は来年冬、「フロール・デ・カーニャ」産地の中米・ニカラグアで行われる世界大会で「サスティナブル・カクテルアンバサダー」の称号を目指す。

 新井さんは過去3回、日本代表として国際レベルの競技会に出場。最高位は2011年、オランダで開催された「第5回BOLS AROUND THE WORLD(ボルス・アラウンド・ザ・ワールド)」にアジア大陸代表で出場したときの日本人初世界2位。2位は名誉であると同時にコンプレックスだという。「10年ぶり4回目の国際競技会出場。諦めていた『世界一のバーテンダーになる』という夢の続きを見るためにも、アジア太平洋大会では勝たなくてはならない。優勝して世界への切符を手にしたい」と意気込む。

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