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足利・最勝寺、本尊毘沙門天像修復で寄付募る 返礼品にちばてつやさん直筆画

(右から)「文化財修復委員会」板橋信行委員長、沼尻了憲(りょうけん)住職、沼尻了俊(りょうしゅん)事務局長

(右から)「文化財修復委員会」板橋信行委員長、沼尻了憲(りょうけん)住職、沼尻了俊(りょうしゅん)事務局長

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 大岩山多聞院最勝寺(足利市大岩町)が2月1日から、文化財修復に向けた勧進(クラウドファンディング)を始める。

山林火災による運び出しの際に損傷した仁王像

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 745(天平17)年に開創された関東最古、日本三大毘沙門天とされる同寺は、昨年2月21日に発生した足利市山林火災の延焼による焼失を危惧し、同23日に栃木県指定文化財「御本尊毘沙門天像」をはじめ、仏具などを避難させた。本来、専門業者により長期にわたり搬出されるべきところ、迫り来る山火事からの避難を優先。地元民の協力の下、数時間での搬出作業となったため、経年劣化により部材の剥落や損傷があったうえに、搬出時の損傷も加わった。

 足利市の施設から本堂へ遷座した御本尊三尊は、4月1日からの護摩修行再開とともに出開帳が始められた。期間は御本尊三尊像の修復まで。1762(宝暦12)年に本堂が再建されてから、260 年間で初めて本堂内御厨子の外での出開帳となる。次回は数百年先となる見通しだという。

 2021年12月17日、仏像や文化財を修復し次の世代につなげる繋げるため、市民有志13人が文化財修復委員会を設立。専用サイトからの寄付事業「勧進(かんじん)」の開始が決まった。近年、「クラウドファンディング」と呼ばれ広く知られつつあるが、古くは1300年ほど前から堂や仏像を新造する際や修復のために「お布施」を集める事業を「勧進」と呼んできた。

 今回の「勧進」の目標金額は、文化財修復に約8,000万円、水道設備や貯水施設等の消火対策費に約2,000万円の、合計1億円。返礼品は市文化財専門委員を通じて、漫画家で文星芸術大学(宇都宮市)学長のちばてつやさんの直筆画「虎絵馬」「毘沙門天絵馬」を活用した絵馬など。「毘沙門天様の使い」と描かれた虎のイラストは、今回のための描き下ろし書下ろしとなっている。ちばさんが山林火災を気にかけて修復に賛同し、「良かったら使ってほしい」と5月に奉納したという。

 同会の板橋信行委員長は「歴史のあるものなので地元の人だけでなく、世界中の人に知ってもらいたい、と勧進を行うことにした。これを機会に、山を知った世界中の人たちに、いずれはこの山を訪れてもらいたい」と呼び掛ける。

 2月1日より専用サイト「bishamonten.org」で、1口5,000円~300万円の寄付を受け付ける。

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