両崖山(足利市西宮町)の紅葉が見頃を迎え、週末はハイキング客でにぎわいを見せている。
両崖山から天狗山に続くハイキングコースには、未だ山林火災の爪痕が確認できる
両崖山は今年2月21日、山林火災に見舞われた。乾燥や強風などの影響により、山頂付近から167ヘクタールを焼失。延焼地帯に隣接する5つの町内、計305世帯には避難勧告が発令され、北関東自動車道足利インターチェンジ~太田桐生インターチェンジ間が通行止めになるなど、近隣に大きな影響を与えた。3月15日に鎮火宣言が発表され、同17日に入山規制が解除された。
足利織姫神社を起点に両崖山~天狗山を巡る天狗山ハイキングコースは現在整備され、火災の様子は感じられないが、コース脇の山肌の木々は根本から炭化し、現在も火災の爪痕が残されている。
紅葉が見頃となった週末、記者が取材に訪れた11月20日11時頃は山頂までの道中、170人以上の登山客でにぎわいを見せた。赤と黄に色付いた木々を観察したり、山頂付近の休憩所から市街地を一望するなど、登山者は思い思いの時間を過ごしていた。
友人と2人で訪れた田中町在住の中島味知子(みちこ)さん(75)は「両崖山には毎月足を運んでいる。入山規制解除直後は焼け焦げた臭いが充満し、焼け焦げた木々を目にする機会が多かったが今は山道も整備され、少しずつ以前の風景を取り戻している」と話した。