足利の「長谷川農場」(足利市羽刈町)が5月13日、畜産農場の衛生管理の手順を定めた「農場HACCP(ハサップ)」の認証を受けた。市内では最初の認証で、栃木県内では7例目となる。
長谷川農場は2015(平成27)年に長谷川良光さんが設立した農業生産法人。ココ・ファーム・ワイナリー(田島町)のワインに使われるブドウ果皮や種(マール)を発酵させたものを給餌(きゅうじ)し、「足利マール牛」の名で2013(平成25)年にブランドを立ち上げた。
「農場HACCP」は農林水産省が2009(平成21)年に認証基準を定めた飼養衛生管理システム。畜産物の安全性向上と、個々の畜産農場における衛生管理をより向上させるため、畜産農場にあらかじめ危害を想定して対策する「危害要因分析・必須管理点(Hazard Analysis Critical Control Point)」の考え方を取り入れたもの。中央畜産会(東京都千代田区)が、この基準に基づき審査を行った上で畜産農場を認証している。
農場で牛の飼育を担当する牧場長の市川元基さんは足利市出身。栃木県農業大学校畜産経営学科で酪農や肉用牛経営に必要な知識・技術を学び、2017(平成29)年に入社した。「ハサップ認証は、チームのフォローがあってできたこと。国の定めた基準で認証を受けるということは、会社としてもレベルアップでき、牛のためにもなる。農場にいる牛には、出荷までの約20カ月を幸せに過ごしてほしい。これからも愛情を持って育てていくので、味わって食べていただければ」と熱意を語る。