足利の指定障害者支援施設「こころみ学園」(足利市田島町)のブドウ畑で11月19日・20日、ココ・ファーム・ワイナリー「第39回収穫祭」が行われた。
会場となるブドウ畑は1958(昭和33)年、特殊学級(現在の支援学級)の中学生徒とその担任教師・川田昇さんらが急斜面の山を開墾した。同施設の園生がブドウ畑の世話やワインの仕込み・瓶詰めなどを行い醸造されたワインは、航空機の国際線ファーストクラスの機内サービスはじめ九州・沖縄サミットや北海道洞爺湖サミットにも使われるなど、高い評価を得ている。
同イベントは、ワインが初めて完成した1984(昭和59)年に始まり、今回が39回目の開催。毎年11月の第3日曜と前日の土曜に開催しているが、新型コロナの影響により2年連続でオンライン開催となったため、ブドウ畑での開催は3年ぶりとなった。
イベントには、2日間合わせて約8400人(主催者発表)が訪れた。会場では、タンクから直接注ぐ「できたてワイン」やスパークリングワイン、デザートワインなどのワインを提供。骨付きソーセージやメキシカンチキン、生ハム、カマンベールチーズ焼きなどを提供する店も出店した。ベランダステージでは音楽ライブも行われ、来場者は演奏を聞きながら、ワインと料理に舌鼓を打った。
毎年夫婦で訪れているという那須塩原市在住の荒川知子さんは「出来たてのワインが一番の目当て。3年ぶりに青空の下、開放的なブドウ畑で味わうワインは格別」と笑顔で話していた。
同園担当者は「来場してくださる方々の自発的に楽しむ気持ちがあって、初めて収穫祭が成り立つという思いがある。そういった意味でも、3年ぶりに現地で皆さまの楽しそうな笑顔を見られたことが、一番の喜び」と話した。