オープンスペース「なべのそこ」(足利市巴町)を営む木村沙和さんが1月、「日常にひそむ、嫁のヨロコビ。『足利の嫁 名草 上町・中町・下町』」を発行した。
木村さんは結婚を機に夫の出身地である足利市に移住し、同市が設立した「地域おこし協力隊」に昨年5月まで携わった。任期終了後の昨年6月、「なべのそこ」をオープン。レンタサイクルやレンタルスペースの運営を行う。
同誌は、「外からの視点で足利を知る超地元マガジン」と称し、足利に「嫁」として移り住んだ木村さんが、移住者の視点で興味を持ったことを深掘りし、インタビュー、写真、エッセー、漫画等で表現。取材から編集、データの入稿までを、全て木村さんひとりで行う。前号までフリーマガジンとして配布してきたが、今回からは有料で販売。今後、市内22地区を特集し、順次発行を目指す。第1回となる今回は足利市の里山地域である名草地区を取り上げる。
木村さんが第1回に名草地区を選んだきっかけは、「地域おこし協力隊」メンバーの活動をサポートする中で、里山や農業のイメージが強い名草地区に多様性や面白さを感じ、発信したいと思ったことだという。今号では「足松農産物直売所」「須永花火田島煙火工場」(名草上町)、画家の國定正彦さん、タンポポを食べる少女など、名草地区の見どころだけでなく、そこで生活する人々や情景を描く。
木村さんは「自分だけで作るからこそ、自分の興味が100%反映できる。『次の号待ってるよ』と言われると、本当にうれしい。テーマを地区ごとにしたことで、読み手のリアクションが分かりやすく感じられるようになった。足利に住む人たちの喜びや潤いにつながれば」と話す。
仕様はA5サイズ42ページで、発行部数は1000部。価格は400円。「なべのそこ」、「たびするおでん もっくもっく」(巴町)のほか、市内の飲食店や雑貨店などで扱う。最新情報は「なべのそこ」のインスタグラムで確認できる。