「柳原義達展」が6月20日、足利市立美術館(足利市通2)で始まった。
柳原義達(1910-2004)は兵庫県神戸市出身。ロダン、ブールデルの影響を受け、戦前から彫刻創作に取り組み、戦争を経て1953(昭和28)年にフランスに渡り、新たな具象彫刻を展開。戦後、日本の彫刻界に足跡を残した。
同展では、三重県立美術館(三重県津市)のコレクションから彫刻約60点、関連するドローイング約30点を紹介。柳原が戦争体験を経て、主題として制作を続けた「犬の唄(うた)」などの人物像や、自身を投影した作品で後に作家自らの「自画像」であると表現したカラスや鳩の彫刻を展示する。
同館学芸員の江尻潔さんは「ブロンズで作られている彫刻にもかかわらず、作品からは『命の温もり』や『発動』が感じられる。カラスや鳩など、同じテーマを扱うものでも一つ一つに『かけがえのない命』を感じさせる。小さな命に耳を傾けるように鑑賞することで、自身の内面に思いをはせるきっかけとなれば」と話す。
7月10日、川崎市岡本太郎美術館(神奈川県川崎市)の土方明司(ひじかためいじ)館長をゲストに迎え、ギャラリートークを開く。
開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。月曜休館(祝日の場合は翌日)。観覧料は、一般=710円、高校・大学生=500円、中学生以下無料。8月15日まで。