人権教育講演会「ネットで人権はなぜ侵害されるのか ~情報との関わり方を考える~」が11月21日、足利市民プラザ(足利市朝倉町)で行われた。
講師の川島芳昭さんは群馬県館林市出身。宇都宮大学共同教育学部の教授で、学校教育学、教育工学を専門とし、情報教育や情報科学技術教育に関する研究を重点的に行っている。講演では「情報との関わり方」をテーマに、人権や情報モラル、SNSを通じたコミュニケーションの難しさや子どもたちがネットを利用する際の諸問題や指導法など、具体的な事例を取り入れた講演が行われた。今後、文部科学省による「GIGAスクール構想」において増加する子どもたちのタブレットなどの端末利用が不可欠になることから、情報モラルの育成をどのように行っていくかについても触れた。
当日は市内小中学校、高校、特別支援学校等のPTA会員などを中心に約160人が参加し、熱心に耳を傾け、メモを取る姿が見られた。講演後に行われた質疑応答では、現役の教師やPTAにおいて子どもと関わる保護者など、それぞれの立場からの質問があり、川島さんから、より具体的で詳細な回答やアドバイスを得ていた。
高校の本部役員として参加したという女性は「ネットいじめなど、身近な事例を含んだ講演で、とても考えさせられた。情報化社会が避けて通れないことは分かったが、専門的な内容もあり、家庭内だけで取り組むのは難しい。行政側でもしっかりした先導やサポートがあれば助かる」と感想を話した。