足利市を流れる渡良瀬川の河川敷で8月9日、須永花火田島煙火工場(足利市名草上町)によるシークレット花火が上がった。
同社は、5月7日に母の日の感謝を表す花火を、6月1日には新型コロナウイルス退散を祈願する「Cheer up!(チアアップ)花火プロジェクト」の花火を自費で打ち上げた。今回は、前回の花火を見た市内の企業が提供したが、企業名は明かしていない。
足利花火大会は例年8月の第1土曜に行われることから、今年は1日の打ち上げを予定していたが、梅雨明けも遅く、雨の予報だったことから9日の開催となった。花火師の田島浩さんは「本当は足利市民になじみのある第1土曜に花火を見せたかった」と話す。花火は約12分間で1500発を打ち上げた。うわさで花火を知り、集まった見物客からは歓声が上がり、花火の終了時には拍手や感謝の言葉を叫ぶ人も。
市内から家族で花火を見物に来た籾山史龍(もみやましりゅう)君は「足利の花火大会が中止になり、がっかりしていた。花火のうわさを聞いて先週もここへ来たが、やっていなかった。今日もう一度来てみたら花火を見ることができた。音がすごく響いて、迫力があった」と笑顔を見せた。
田島さんは「夏休みがとても短くなり、遊びにも行き辛くなってしまった。足利の花火大会は中止になってしまったが、一人でも多くの子どもたちに見てもらい、休み明けから笑顔で元気に学校へ行ってもらえたら」と花火打ち上げに込めた思いを明かす。