新型コロナウイルス退散を祈願する「Cheer up!(チアアップ)花火プロジェクト」の花火が6月1日20時、足利の渡良瀬川河川敷で上がった。
同プロジェクトは「悪疫退散を祈願し、花火を見上げて笑顔になってもらい、全国の人たちに希望と元気を届けたい」との思いから全国で同時刻に打ち上げられた。プロジェクトに参加した花火業者は163社。新型コロナウイルスの感染拡大につながらないよう、打ち上げ場所は非公開、花火は5分以内とし、プロジェクトの公式ホームページでは自宅からの鑑賞を呼び掛けた。
足利の賛同業者は須永花火田島煙火工場(足利市名草上町)。花火師の田島浩さんは「無事に花火が終わってほっとしている。雨が降っていたことも心配だったが、人が集まってしまわないかという心配もあった。ゆっくり楽しんでもらいたかったが、人が集まらないうちに終わらせるため、いつもより速いペースで打ち上げた。小さい花火玉をたくさん打ち上げると華やかだが、自宅から見てもらうことを考え大きい花火玉を使った。SNSには感謝のコメントなどがたくさん投稿され、『勇気づけられた』『ありがとう』などのコメントが700ほど来ている」と笑顔を見せる。
同社は5月7日にも、新型コロナウイルス終息祈願と母の日の感謝を表す花火を打ち上げた。「前回の花火も今回の花火も自費でやっている。前回の花火を見た人から『奉納金』として協力があり、ありがたかった」と話す。
8月22日に予定されていた「第106回足利花火大会」は中止が決定。12月19日に予定している「ほほ笑み花火」は開催未定。田島さんは「工場を再開してから3年、応援してくれた足利の人への恩返しも込めて、ぜひ開催したい」と意気込む。