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足利のニュースを届けて74年 地域の夕刊紙「両毛新聞」が惜しまれつつ休刊

巴町の「両毛新聞社」外観

巴町の「両毛新聞社」外観

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 足利市の夕刊紙「日刊両毛新聞」が、5月9日をもって休刊した。

万年筆のロゴが時代を物語る

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 両毛新聞社(足利市巴町)が祝日・休日を除く月曜~土曜に3300部を発行。月額1,500円で販売し、経済、政治など地域のニュースを74年にわたり伝えてきた。9日付けの1面で「本紙74年の歴史に幕」として休刊を発表。岡部功(いさお)社長と社員一同の連名による感謝の言葉を載せた。

 1933(昭和8)年に、岡部新二郎前社長が前身となる「足利日報」を創刊。戦後、1946(昭和21)年に現在の名称になった。制作に当たっていた社員は社長を除いて3人。休刊の理由について、担当者は「デジタル化による紙の新聞の衰退と配達の人員不足。加えて新型コロナウイルス感染拡大の影響で広告収入が見込めなかったことも原因」と話す。

 60年以上新聞制作に携わってきたという岡部社長は現在88歳。元々紙の新聞の将来性については課題があり、休刊については昨年の秋ごろから検討していたという。担当者は「社長が倒れて新聞が出せなくなることもありえる話、と考えていた矢先、社長が5月3日にけがをし、会社に出て来られない状況が現実となった。元気なうちに休刊号を出してあいさつできればと思っていた」と振り返る。今後、業務は続けるものの再開の見通しは立っていないという。

 市内に住む60代の男性は「足利市内で長く続いてきた新聞が無くなってしまうのは寂しい」と話した。

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