足利で4月、「繊維のまちの底力」マスクプロジェクトが始動した。
市内の小中学校に通う児童生徒や妊婦に布マスクを配布するプロジェクト。新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、学校が再開した場合の子どもたちへの感染リスクを軽減し、肺炎にかかると重症化する可能性があるとされる妊婦を母子共に守るために始動した。足利市は、すでに自社で布マスクの製造を始めていた市内の繊維事業者6社にマスクの量産を依頼。産業観光部工業振興課の栗原祐幸(ゆうこう)課長は「1社に小学3年までを対象としたサイズを、4社には小学4年以上を対象としたサイズを請け負ってもらった。妊婦用のマスクについては健康増進課から、別の繊維事業者1社に依頼した」と言う。
できあがった布製マスクは足利市役所教育庁舎へ納品され、準備が整い次第、市内小中学校の児童生徒約1万人に、1人当たり2枚配布。市内在住の妊婦約1500人には、5月上旬までに1人当たり3枚郵送する。
今後妊娠届出予定の妊婦については母子健康手帳交付時に窓口で配付。子どもや妊婦以外への配布については、今後の状況を見て進める予定だという。
栗原さんは「一日でも早く子どもや妊婦らに届けられるよう、地元繊維事業者がそれぞれに頑張ってくれている。今回のプロジェクトは、業者の協力があってこそ」と感謝の気持ちを話す。