企画展「名画の旅 江戸から現代まで -リアルアート体験 美術館へ行こう-」が2月11日、足利市立美術館(足利市通2)で始まった。
同館は昨年、足利市の市政100周年を記念し、中世、古代をテーマに足利の文化財などを紹介する企画展を2回行った。今回は、江戸時代から現代までに着目し、浮世絵をテーマに展示する。作品を通して来場者らに「足利の歴史と文化」に触れてもらい、町を再発見する機会とすることも目的にしたという。
展示するのは、葛飾北斎(1760-1849)の「諸国名橋奇覧 足利行道山くものかけはし」を筆頭に、浮世絵の一派、歌川派の月岡芳年(1839-1892)の「風俗三十二相」や、同市ゆかりの作品として田崎草雲(1815-1898)の「生写四十八鷹図(しょううつししじゅうはったかず)」。展示に合わせて、鈴木ひょっとこさん、サガキケイタさん、たかくらかずきさん、Rii2(リツ)さん、小松孝英さんらの現代作家が浮世絵をオマージュして制作した、作品を紹介する。中でも鈴木さんの「諸国名菓奇覧 足利行道山もくもくのわたがし」は同展のために描かれたものだという。
特別展示として19日まで、クロード・モネ、オディロン・ルドン、マルク・シャガール、パブロ・ピカソの作品各1点合わせて4作品の名画を展示する。19世紀から20世紀にかけて、近代の社会情勢の変革により、西洋近代美術の変化の一端を紹介するとともに、来場者にとってリアルアートに親しむきっかけ作りを目指す。展示に合わせた特別プログラムとして、アートを深く理解してもらうための「対話型鑑賞」を市内小中高生のグループ(要事前申込)に用意するという。
片柳考夫館長は「江戸時代に庶民を喜ばせた浮世絵がテーマ。大勢の人に、純粋に見て楽しんでもらえればうれしい。教科書に見られるような名画の展示ではぜひ実物を見て、生き生きとした体験をしてほしい」と話す。
開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。休館日は月曜、2月24日、3月22日。料金は、一般=300円、高校・大学生=200円、中学生以下=無料。3月26日まで。