足利の伝統行事「節分鎧年越(よろいとしこし)」が2月3日、足利市中心部で行われた。
同行事は、鎌倉時代中期に足利宗家4代当主の足利泰氏が板東武者500騎を鑁阿寺(ばんなじ=足利市家富町)の南大門へ勢ぞろいさせたのが始まりといわれる。1915(大正4)年、市内繊維業者を中心とした市民有志が行事を復活させ、今年で108年目。コロナ禍で2021年と2022年は中止になり、3年ぶりに行われた。
18時30分、よろいかぶとに身を固め坂東武者に扮(ふん)した257人が織姫公民館(通6)から出陣。一行は、鑁阿寺まで約1.3キロの交通規制された市内大通りを約1時間かけて練り歩いた。
鑁阿寺本堂前に到着すると、主将の早川尚秀市長が足利氏代々の供養と足利の繁栄を願った「願文(がんもん)」を奉読。主将が「福は内、福は内、鬼は外」と声を上げ、武者一同が一斉に豆をまく追儺式(ついなしき)が行われた。追儺式が終わると、本堂裏で「エイ、エイ、オー」と勝ちどきの陣を行い行事を締めくくった。
市内から自前の赤いよろいで参加した小学2年の柿沼尊さんは「参加するのはこれで2回。3年ぶりの鎧年越はすごく楽しかった。今回は弟と一緒に参加したが、来年は土曜なので、お父さんも一緒に出られたらいいな」と笑顔で話した。