足利で初めての地ビール醸造所「ISHII BREWING(イシイブリューイング)」(足利市問屋町)が7月20日、報道関係者に公開された。8月から予約販売を行う。
同所は足利市出身のクラフトビール醸造家石井敏之さんが設立した。石井さんは、1998年から米サンディエゴの「STONE BREWING」で3年間働き、2001年から長野県のクラフトビールメーカーに勤務。2009年に独立し、国内外でクラフトビール製造に関わった。2010年、グアムで「ISHII BREWING CO.」を設立し、自社ブランド「ミナゴフビール」を製造、販売していたが、2021年、新型コロナウイルスの感染拡大により帰国した。
足利で製造するクラフトビールのブランド名は「ORIHIME(おりひめ)」。グアムから一緒に帰国した猫の名前「姫」と「織姫神社」が由来という。同ビールは足利の水を使い、「India Pale Ale(インディアペールエール)」と「Pale Ale(ペールエール)」の2種類を合わせて年間100キロリットル醸造する予定。ペールエールはモルトとホップのバランスが程よく、豊かなかんきつ系の香りが特徴で、インディアペールエールはホップの苦みと香りが特徴だという。
7月26日に足利商工会議所(通3)で開催された試飲会ではペールエールが用意され、来場者たちは香りや味を確かめた。試飲会に参加した栗原収足利市議は「普段飲んでいるビールと比べて、香りがとてもいい。深みのある独特の味わい」と話した。デザインは市内に拠点を置くデザイン制作会社「Unripe Creative Studio」(永楽町)が担当。「猫の姫ちゃんをメインにデザインした。『織姫』の和のイメージと、現代のポップさを融合した」と話す。
石井さんは「誰もやったことのない島でやれたのだから、足利でもクラフトビール製造ができるかもと決意した。将来的には足利産の麦なども使用したいと考えている。グアムではできなかった輸出を5年以内に可能にするのが目標。メードイン足利のクラフトビールを世界に広めたい」と意気込む。
ビールは500ミリリットル缶(990円)のほか、グラウラー(ビールや炭酸飲料に対応したボトル)での量り売り(1リットル1,650円)に対応。「ISHII BREWING」のロゴが入ったグラウラーも販売する。
予約は電話(TEL 050-1292-4050)で受け付ける。営業時間は13時~17時。日曜定休。要予約。