足利で被害が拡大している昆虫「クビアカツヤカミキリ」の防除を目的とした取り組みが7月13日、市立桜小学校(足利市千歳町)南側の旧袋川桜並木で行われた。
クビアカツヤカミキリは、サクラ・ウメ・モモなどのバラ科の樹木に寄生する外来種。幼虫が樹木内部を食い荒らし枯れさせてしまうため、2018(平成30)年1月に環境省が特定外来生物に指定。栃木県では、2016(平成28)年7月に足利市で初めて成虫が発見された。
今回、足利市環境政策課が初の集団防除として「令和4年度『第一回 クビアカ一掃大作戦 in 旧袋川』」と題し、市職員、エルマー学童くらぶ(千歳町)の児童、ボランティアスタッフら35人が集まり1時間かけて18匹を捕獲した。この他に同学童の児童は、今年だけで541匹を捕まえたという。
環境政策課の栗原祐幸さんは「外来種として新しく、捕食者がいないので、被害が拡大している」と表情を曇らせる。
エルマー学童くらぶ指導員の三田和子さんは「『このままでは桜がなくなってしまう』と子どもたちの関心は高い」と話す。児童が捕獲した虫に向かって「おまえが桜を食べるからいけないんだぞ」と話しかけていることもあったという。
同課の松島一司さんは「成虫の飛散期ピークの6月から7月にかけて、市民から毎日10件くらい発見の連絡がある。市職員が回れるのは1日6件が限界。今日は曇りで気温が上がらず、思ったより数は少なかったが、これまでに学童の児童がたくさん捕獲した成果だと思う。子どもたちや市民に協力してもらい、防除を進めたい」と話す。
足利市は市民参加の取り組みとして「クビアカみっけ隊」の隊員を募集している。対象者は、小学生以上の市在住または通勤・通学者。入隊者には、隊員証と隊員用エコバッグを進呈。申し込みは電話(環境政策課、TEL 0284-20-2151)で受け付ける。