足利のNPO法人「あがた農楽園」(足利市県町)が6月9日、足利市立協和中学校(百頭町)の生徒とジャガイモ収穫の体験学習を行った。
同NPOは2020年12月、障がい者の就労機会拡大と耕作放棄地の再生に取り組むため設立された。代表の石川隆道さんが、障がい者就労支援施設の運営を行う「渡良瀬会」(葉鹿町)に声をかけ、連携して遊休農地で農作物を栽培・販売している。
体験学習は、コロナ禍の影響で例年中学2年生を対象に行っていた「マイチャレンジ事業」ができないことから、代わりに企画された。開催は今回が初めて。生徒40人が、同施設の利用者11人、地元の高齢者8人と協力して5000平方メートルの畑から7トンのジャガイモを収穫した。収穫したジャガイモは「メークイン」「キタアカリ」「男爵いも」の3品種。
同中学2年の浅海蓮司さんは「幼い頃に祖父の家でジャガイモ掘りを経験したことがあるが、その時とは違い、今回は『仕事』を意識できた。『マイチャレンジ』をやってみたかったので、農業体験に参加できてうれしい。ご褒美に頂いたジャガイモは、カレーにして食べたい」と笑顔を見せた。生徒たちは収穫作業後にイチゴ狩りも体験した。
石川さんは「生徒たちは元気があって、作業がはかどり助かった。利用者さんたちも、去年より仕事が早い。農業に興味を持ってくれる子どもが一人でも増えるとうれしい」と話した。
収穫したジャガイモは賛助会員に配布した後、渡良瀬会の施設「コミュニティーセンターよこまち」(葉鹿町)で販売を予定している。