「大久保分校スタートアップミュージアム(OBSM)」(足利市大久保町)が4月22日、足利市毛野小学校大久保分校跡にオープンした。
同校は2004(平成16)年に閉校。1929(昭和4)年に建設された校舎を足利市が2021年、公共施設の利活用に関わる民間企業を募集したところ、一般財団法人「おもい・つむぎ財団」(岩井町)が名乗りを上げ、同施設オープンに至った。
ミュージアムは、展示室と工房から成る「つくりえ-TSUCULIE-」をメインスペースに、カフェとショップスペースから成る「大久保茶館」を併設して運営する。「つくりえ」の名称はSNSで公募し、約70点の中から選ばれた。「つくりえ-TSUCULIE-」には、「『作り』手」「芸術の集まる『家』」「見ること、作ることにより、『得』られるものがある」「『クリエ』イト:create(TSUCULIEのC)」「アト『リエ』:atelier(TSUCULIEのLIE)」の意味が込められている。
カフェスペースでは中国茶とトリュフチョコレートのセット(1,500円)、クッキーとココアのセット(500円)の2種を提供する。チョコレートやクッキーは、足利市出身でチョコレート専門店「Dari K(ダリケー)」(京都市中京区)を創業した吉野慶一さんが提供する。中国茶は、同校出身で中国料理店「茶禅華(さぜんか)」(東京都港区)のオーナーシェフ、川田智也さんが監修した。中国茶は現在、名草のショウガをブレンドしており、今後は地産、旬の素材を使い季節メニューを提供していく予定だという。
川崎町自治会の岩崎正司会長は「自分も、母も、息子たちも親子3代でこの小学校に通っていた。思い出の場所が活用されてうれしい。気軽にアートを楽しむ場所として、長く続いてほしい」と話した。
同財団の川端秀明代表理事は「若手アーティストに展示の機会を提供していきたい。アーティストだけでなく、学芸員など、アートに関わる人たちのスタートアップの場所にできたら。気軽に立ち寄ってもらえたら」と期待を込める。
開館時間は10時~17時。金曜~日曜・祝日営業(工房は月曜・木曜も開館)。