足利市立美術館(足利市通2)で11月13日、企画展「長谷川利行展」が始まった。
長谷川利行さんは京都生まれの画家。20代まで文学に傾倒し、30歳ごろ上京後、本格的な創作活動に没頭した。36歳で二科展樗牛賞(ちょぎゅうしょう)を受賞、画家として才能を発揮するも、生活面では定住せず職も家族も持たず、晩年は路上に倒れ、養育院で誰にみとられることなく49歳の生涯を閉じた。
同展では、テレビ番組がきっかけで近年再発見され話題となった「カフェ・パウリスタ」や約40年ぶりに公開される「水泳場」、新しく発見された「白い背景の人物」など、話題作を含めた約15年にわたる作品約140点を展示。鮮やかな色彩に富み、時にすさまじく、時に流れるような筆で奔放に描かれる作品が並ぶ。ギャラリートークのほか、11月24日、12月8日は14時から、関連プログラムとして外部講師を招いての講演会も予定されている(定員60人、要事前申し込み)。
同館学芸員の江尻潔さんは「世の中の風潮に迎合せず、自分の尺度で創作を続けたことに、現代に生きる我々も学ぶところが多いのでは。長谷川にとって、描くことと生きることはイコールであり、短い人生ではあったものの、自身が選んだものを大切にした良い人生であったのでは」と話す。
開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。月曜休館(12月24日は開館)。観覧料は、一般=700円、高校・大学生=500円、中学生以下無料。12月24日まで。