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足利山林火災から1年 ボランティアが登山道の分岐にベンチを設置

「足利里山通信」の有志メンバー

「足利里山通信」の有志メンバー

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 昨年2月の足利市山林火災を機に発足したボランティア団体「足利里山通信」が、天狗山~両崖山登山道の分岐点に「天両分岐ベンチ」を設置した。

30キロほどの資材を担いで入山

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 足利里山通信は、「安全登山と山のモラル向上」を目的に山情報の共有などを行う有志のボランティア団体。足利市在住の原島昌司さんが昨年4月に立ち上げたLINEオープンチャット「足利里山通信」に参加する約170人のメンバーで構成する。団体に参加するメンバーの多くが、火災をきっかけに地元の山に関心を持ち始めたという。

 今年の元旦、同団体のメンバーらで初日の出登山をした際、メンバーの中井誠さんが「火災から1年経過したのを機に何かできないか」と提案。「天狗山と両崖山の分岐に休憩できるようなベンチがあったら良いのでは」という声が上がったことから、火災の被害を受けた山へねぎらいの意味を込めて、有志15人と製作へ向けて準備を進めてきた。

 資材は、群馬県の工務店経営、石川信義さんから無償で提供を受けたほか、火災で焦げた杉の間伐材を使った。既存の市内山岳ボランティア「天狗を守る会」などの協力もあり、市や地主の許可を得た後、登山ルートを何度も下見した。メンバーらは、切断を終えた30キロほどの資材を、2月27日、3月6日の2日間にわたり、何往復も担いで搬入。石川さんから事前に指導を受け、現地でベンチを手作りした。

 ベンチの高さは37センチほど。ベンチだけでなくテーブルとしても利用できるよう、周りを囲んで丸太を置いた。地面には竹のチップを敷き詰め、フカフカとした感触を楽しめるような休憩スペースとなった。これまで名称がなかった天狗山と両崖山の分岐であることから「天両分岐ベンチ」と名付けた。

 中井さんは「思いつきで初めたことだが、全世代に愛されるベンチになってほしい。今後もハイカーの安全のため、山の繁栄のため、まだまだ素人で出発点だが山の見守り活動を続けていきたい」と話す。

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