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足利で企画展「うしろのしょうめん」 木彫やドローイング40点で多様な「子ども」を表現

丸尾康弘さんと作品「それでも僕は」

丸尾康弘さんと作品「それでも僕は」

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 彫刻家・丸尾康弘さんの個展「うしろのしょうめん」が11月4日、ギャラリー碧(へき、足利市巴町、TEL 0284-21-3258)で始まった。

子どもたちの小さな作品

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 丸尾さんは1956(昭和31)年、熊本県山鹿市生まれで東京造形大学(東京都八王子市)造形学部彫刻専攻卒業。近年は春夏を出身地である山鹿市、秋冬は群馬県桐生市のアトリエを拠点に、木彫作品の制作を中心に取り組む。2000(平成12)年に「第24回上毛芸術奨励賞」受賞、群馬県や熊本県などで個展を開くなどしている。10月30日~開催中の足利市のアートイベント「路地まちアートランブル」でも作品を展示している。

 同ギャラリーでの丸尾さんの個展開催は10年ぶり。今回は「子ども」をモチーフにした作品に焦点を当てる。大小の木彫作品16点を中心に、立体作品から生まれる「木彫スケッチ」、和紙に墨で描かれたドローイング作品など計40点を並べる。木彫作品にはクスノキを使い、ほとんど機械を使わず手彫りで仕上げるという。

 作品は、手彫りの温かみややわらかさを感じさせる一方で、足が4本ある子どもや、牙のようなものが口の片側にあるもの、左右で顔の印象が変わるものなどがあり、見る角度や光の加減により、木彫の子どもたちがさまざまな表情を見せる。丸尾さんは「ここ数年、子どもを題材とした作品を多く作るようになった。今の子どもたちは閉塞(へいそく)感ただよう世界のなかにいるのではと感じている」と話す。

 同ギャラリーオーナーの山川敏明さんは「丸尾さんの作品は技術に裏打ちされつつも、社会的な情勢を敏感にとらえている。近くで見てほしい」と来場を呼び掛ける。

 開催時間は10時~18時。11月10日休み。11月16日まで。

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