足利の「エコツー技術研究所」(足利市通3)がアパレルブランド「Torch(トーチ)」を立ち上げ、9月、2種類のアウターを発表した。
塗装や外装設備等を扱う同社は2012(平成24)年に設立。2018(平成30)年ごろから、屋外で仕事をする作業員が快適に過ごせるオリジナルの作業服を制作し、甚平のような形の作業服は「和しゃつ」と名付けた。2020年1月から宮本あかりさんがデザイナーとして参加し、今回、アパレルブランドを立ち上げることになった。
デザイナーの宮本さんは足利市出身。子どもの頃から「吹きガラス」の職人に憧れ、秋田の美術大学に進学。卒業後、富山県でガラス工房のアシスタントなどを務めた後、「新しいことに取り組めたら」と足利へUターンした。
服のデザインは未経験だったという宮本さんは「今回の依頼をもらった時は不安もあったが、今まで積み重ねたガラス工房でのノウハウと軸が合うと感じ、チャレンジを決めた」と話す。図面の作成から手探りの状態で、デザインが決まるまでに何度も試行錯誤を繰り返した。
同ブランドは「もっと素直になれる服」をテーマに、足利の繊維産業へ再び光を当てるため、企画から素材、縫製まで「メードイン足利」にこだわった。ブランド名の「トーチ」は「火を分け合うような」「光で分からなかったことが見えてくる」イメージだという。今回発売した「nagomi(ナゴミ)」シリーズは、和服の機能性を持った2種類のアウター。着丈の長いガウンタイプはライトベージュとブラック、短いシャツタイプはブラウンとネイビーの展開で、性別を問わず着こなせるようデザインしている。
宮本さんは「固定観念にとらわれず、素直に自然に受け入れられるような新しい考え方をこのブランドから発信していけたら。服作りを通して、人種、ジェンダー、サステナブルな素材の選択により環境の問題にも取り組んでいきたい」と今後の展望を語る。
10月10日まで、クラウドファンディング「Makuake(マクアケ)」で支援を募る。10月3日まで、カフェ「八蔵(はちくら)」(大門通)で試着会を開催中。