足利市が、最新の洪水浸水想定区域や土砂災害警戒地域などを反映した「足利市洪水・土砂災害ハザードマップ」を作成した。
同市が被災した2019年の台風19号の災害状況を受け、2013(平成25)年6月以来の改訂となる。従来のマップは「100年に一度の豪雨」を想定していたが、新しいマップは「1000年に一度の豪雨」を想定。表裏で市全域、地域別の地図となっており、住んでいる地域によって配布される地図が異なる。
洪水浸水想定区域の前提となる対象河川は渡良瀬川、桐生川、旗川、矢場川、袋川の従来からの5カ所に加え、新しいマップでは松田川、利根川を追加。これまで対象とされていた桐生川、旗川の別管理部分まで範囲を広げ、計9カ所を対象に洪水浸水想定区域を表示した。
これまでのマップは、栃木県による浸水リスク想定図を反映していなかったが、名草川、出流川、姥川、矢場川、小俣川、清水川、尾名川を新マップに反映。想定最大規模の降雨によって越水、溢水(いっすい)した場合に想定される浸水状況を表示している。
土砂災害警戒区域は122カ所、土砂災害警戒区域は113カ所追加。37カ所の指定避難場所に加え、これまで市と協定を結んだ「コジマ×ビックカメラ」(朝倉町)、「東松苑ゴルフ倶楽部」(駒場町)、「スーパービバホーム」(堀込町)、「ヨークベニマル」(朝倉町)を、緊急的に車で避難できる場所として掲載し、「車中避難場所」として新たに表示した。
同市危機管理課の近藤隆久課長は「市民の皆さんが適切に避難行動を取れる活動をとれるよう工夫して作成した。自宅はどのような災害に遭う可能性があるのかを確認し、各家庭で適切な避難行動を話し合ってもらえたら」と利用を呼び掛ける。
ハザードマップは、防災情報冊子のポケットに入れ自治会経由で配布するほか、市ホームページに掲載する。