デザイナー、井上望さんの個展「うらわたしのターン展」が現在、「andNYC(アンドエヌワイシー)」(足利市名草中町)で開催されている。
「今までの端切れ生地のテキスタイル創作物展」は8月7日~10月30日
群馬県伊勢崎在住の井上さんは「NEW PRODUCT SHOP TOCC」を屋号に、今年で活動12年目を迎えた。総柄の生地を使ったインテリア作品をメインに、これまでプリント生地で制作・販売してきた作品を集め、古くから付き合いがあるという同店のオーナー中山研二さん協力の下、作品展を開いた。
小さいころから「裁縫」が身近な環境にあったという井上さんは、海外を中心に不思議な柄の生地を集めており、その生地でポケット付きクッションを販売したことを始まりに、「欲しいと思っても他には無いものを」という要望に応えてきた。「個客」とのコミュニケーションを大切にしながら、12年間オーダーメード布作品を販売している。井上さんは「感覚は、人との触れ合いがあり、自分を介することで増大し、良い作品になる。大人よりも子どもの方が感覚的。いろいろな人の意見を大切にしている」と話す。
作品展は期間を分けて2つの展示を行う。第1期は、2006(平成18)年ごろから使っている森林をイメージした布を使った作品。植物を育てるのが苦手な井上さんは「植物が育てられない環境でも、これがあれば落ち着くのでは」と考えているという。多くは「自分が日常使いできるもの」を意識したインテリア作品となっているが、過去に「高いパイプ椅子を作ってほしい」という発注からパイプ椅子に布を貼り、ビニールコーティングしたものを制作したことも。
井上さんは「コロナもあり、これからどんな時代になるか分からないが、『当たり前』が無くなってくるなかで、作品を増やすことに関しては『やり切った感』があった。これだけやってきた、という結果を個展にし、これからは動画編集などのスキルを上げ、『物』ではない制作にもチャレンジしたい」と今後の展望を語る。
営業時間は12時~19時。水曜・木曜定休。第1期「森林生地の創作物展」は7月25日まで。第2期は「今までの端切れ生地のテキスタイル創作物展」で、8月7日~10月30日に開催。井上さんの在廊日時はホームページで確認できる。展示品の一部は受注販売している。