「第22回 足利市民会館 NHK交響楽団 定期公演」が2月20日、足利市民会館(足利市有楽町)大ホールで開催された。
N響が活動拠点としているNHKホールやサントリーホールでの公演と同一プログラムで行う、北関東では唯一の「定期」公演。1999(平成11)年にスタートし、今年で22回目を迎えた。
足利市民会館は1966(昭和41)年に開館し、長年多くの舞台や公演などの会場として市民に親しまれてきた。県立足利高校と足利女子高校の統合に伴う新校舎用地として県に提供されることが決定。6月末での閉館が決まっており、同会館でのN響による公演は今回が最後となる。
演目はシューマンの序曲「メッシーナの花嫁」、交響曲第3番「ライン」、ベートーベンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」など3曲のプログラム。指揮は下野竜也さん、ピアノは清水和音さんが努めた。
慣れ親しんだ会場での熱演が約700人の観客を魅了。終演後、来館者からは「素晴らしかった」という声が多く聞かれたほか、「市民会館の取り壊しを聞き、今回初めて来た」という人もいた。
感染症対策として、検温や消毒を実施し、座席数を定員の半分に制限。政府による渡航制限により指揮者とソリストの変更などもあったが、周東勇館長は「おかげさまでチケットも完売し、無事に予定通り終えることができ、ほっとした」と話す。
次回から会場を新たに足利市民プラザ(朝倉町)に移し、10月10日に定期公演を行う予定。