5月に休刊した足利市の夕刊紙「日刊両毛新聞」が7月20日、再刊した。
74年にわたり同紙を発行していた両毛新聞社(足利市巴町)は、市内在住の会社経営、川島順一さんを新社長に迎え、6月23日付けで新たに両毛新聞社を設立。岡部功前社長は取締役会長に就任した。20日にPR版を市内の約5万世帯にポスティングし、27日付けと31日付けを一部世帯に無料配達。8月から有料で日刊発行を行い、講読料は1,500円に据え置く。
川島社長は岡部会長とは遠縁に当たる。「足利の記事を取り上げていく記事が無くなるのが惜しいという気持ちが強くなってきた。休刊時、新聞記事を読んで事業継承の意向を知り、手を挙げた」と経緯について話す。休刊の時間が長くなることで事業再開が厳しくなるという認識があったため、再刊を急いだという。
週6回だった発行は、月曜から金曜の週5回となる。週末版として金曜は、2ページだったところを4ページにすることでページ数を維持する。記者は3人。休刊時に課題だった配達員の不足について、今後は積極的に求人媒体を使うなどして配達員を増やす努力をしていくという。
川島さんは「岡部会長は紙面に関与していきながら、一緒に再び両毛新聞を軌道に乗せたい。中・長期的にデジタル化は考えているが、今はいかに取材に行って足で稼いだ記事を書けるか。小さなメディアだが、足利市というネットワークを軸に、読者の声を反映する形で双方向からコミュニケーションを取っていきたい。来年は市制100周年。メディアとして関わっていけることがあるのでは」と、今後について語る。