足利の「吉祥寺(きちじょうじ)」(足利市江川町)で現在、600株ほどのアジサイが見頃を迎えている。
赤い目印のテープを付けた、今年植えたアジサイの苗にも小さな花が咲いた
弘長年間(1261年~1263年)に源姓足利氏5代目頼氏(よりうじ)が創建したと伝えられている同寺。境内南側の斜面にはアジサイが植えられ、「あじさい寺」と呼ばれ親しまれている。アジサイは元々1500株あったが、イノシシ被害や病気などの影響で年々減少。寺の世話人や植木職人らの手を借りて、イノシシよけの柵設置や病気の有無を判別しやすいようにテープで目印を付けるなどして対策を取り、3年前から新しい苗を毎年約100株ずつ補植してきた。今年は以前からある株も含めて600株ほどになった。
毎年6月の第4土曜・日曜には、アジサイの最盛期に合わせて「吉祥寺あじさい弁天まつり」が開かれる。昨年は300人近い人が来場したが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止を決定した。
天台宗義任山吉祥寺第24代住職の本橋亮智(りょうち)さんは「今年の祭りを楽しみにしていた方々には申し訳ない。まだ花数も少なく以前のように鑑賞するにはもう少し時間がかかりそうだが、新たに植えた株がやっと根付き、小さいながらも花が咲いてきた」と話す。「檀家をはじめ、皆さんのおかげで『アジサイ苑』復活の兆しも見えてきた。今後は今以上に行事を増やし、人との縁が集う寺にしていきたい」とも。
アジサイは事前予約無しで鑑賞できる。駐車場有り。