足利市は10月21日、職員への迷惑行為(カスタマーハラスメント=カスハラ)防止の対応策を11月1日から実施すると発表した。
「足利市職員カスタマーハラスメントに対する基本方針」を策定し、具体的な対策として名札を職員名字の平仮名とローマ字のみの表記とし、職員証にかぶせる形で着用する。他には庁内敷地内での撮影行為などの禁止、担当課の判断で録音機器によるやりとりを録音するなどの対応を計5つ定める。
市は今年7月、正規・非正規を合わせた全職員1787人を対象にカスハラのアンケート調査を行い、896人の回答があった。直近2年以内に「カスハラを受けたことがある」と回答した職員は34.6%だった。カスハラ受けた回数は、回答者の16.5%が「11回以上」と回答。「最も印象に残っているカスハラ事案」の上位は、「侮辱・大声で威圧するなど乱暴な言動」「何度も同じ内容を繰り返すクレーム」だが、少数回答で「家族を含めて危害を加えると脅す」「SNS等へ書き込むことをほのめかす」などの行為の回答もあった。
21日の定例記者会見で早川尚秀足利市長は「市民の皆さまと職員がお互いの立場を尊重しながら、カスタマーハラスメントのない公正で持続可能な市政運営の実現を目指していきたい」と話した。