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足利で伝統行事「節分鎧年越」 武者行列359人、織田信長の鎧武者も

「節分鎧年越」勝どきの陣の様子

「節分鎧年越」勝どきの陣の様子

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 足利の伝統行事「節分鎧年越(よろいとしこし)」が2月3日、足利市中心部で行われた。

「節分鎧年越」追儺式(ついなしき=豆まき)の様子

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 約750年前の鎌倉時代中期に、足利氏が一族の結束と勢力を誇示するため坂東武者500騎を鑁阿寺(ばんなじ=足利市家富町)南大門に集結させたという故事に由来する同行事。1915(大正4)年に市内繊維業者を中心とした有志が復活させ、現在は市内有志の「立春会」が主催する。

 新型コロナの影響で中止が続いていたが、昨年3年ぶりに再開。今年で93回目を迎える。今回は、2021年に市と包括連携協定を結んだ「コーエーテクモホールディングス」(横浜市)子会社の「コーエーテクモゲームス」から小笠原賢一常務執行役員ら2人が参加した。小笠原さんは同社が制作するゲーム「信長の野望」に登場する織田信長の西洋風甲冑(かっちゅう)を身にまとい本陣に加わった。

 17時、よろいかぶとに身を固め坂東武者に扮(ふん)した市民らが織姫公民館(通6)から出陣した。開催日が土曜のため、例年より1時間30分早い出陣で、主催者によると過去最多となる359人が参加した。一行は、鑁阿寺まで約1.3キロの交通規制された市内大通りを約1時間半かけて練り歩いた。

 鑁阿寺本堂前に一行が到着すると、主将の早川尚秀足利市長が足利氏代々の供養と足利の繁栄を願った「願文(がんもん)」を奉読。主将が「福は内、福は内、鬼は外」と声を上げ、武者一同が一斉に豆をまく追儺式(ついなしき)を行った。追儺式が終わると、最後に本堂裏で「エイ、エイ、オー」と勇ましい声を上げる勝どきの陣で行事を締めくくった。

 市内に住むウヤハラエミリさんは「今回初めて見たが、迫力があるし、日本文化を感じることもできてうれしい。小さい子の武者姿もかわいらしかった」と笑顔で話していた。

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