下野新聞社(栃木県宇都宮市昭和1-8-11、若菜英晴代表取締役社長)は7月12日、80年前のその日にあった栃木県の県都・宇都宮市への空襲を伝える特別紙面「宇都宮空襲新聞」を発行しました。社屋が空襲で炎上、翌13日の新聞を発行できなった先人の無念を思い、言論統制下で報じることができなかった苛烈な被害の実相をつぶさに盛り込んでいます。
一面
宇都宮空襲は12日深夜から13日未明、米軍のB29大型爆撃機が1万発以上の焼夷(しょうい)弾などを落として市中心部を焼き払いました。犠牲者は620人以上で、北関東での大規模な都市空襲は初めてでした。下野新聞社屋は焼夷弾の直撃を受けて全焼、外郭を残すのみとなりました。右腕切断の重傷を負った社員もいました。
空襲新聞はブランケット版4ページで、日付は「昭和二十年七月十三日」。当時の題字を使ってフロント面に「宇都宮で大空襲」の大見出しを掲げ、焼け野原の中に建つ社屋のモノクロ写真をAIによる加工などでカラー化し、掲載しました。2、3面は完全見開きで、最高齢97歳の体験者ら14人の写真と証言などを紹介しています。4面は写真グラフ。
三浦一久(みうら・かずひさ)編集局長は「80年の時を経て、後輩たちが本紙の歴史の空白と向き合った。戦争を語り継ぐ一助にしたい」とコメントしました。
2・3面
4面