足利市は9月1日、国重要文化財の刀剣「山姥切国広(やまんばぎりくにひろ)」取得のためのクラウドファンディング(CF)を開始した。
「山姥切国広」クラウドファンディング画面(9月4日15時時点、編集部でキャプチャ、一部加工)
同CFは、市と足利市文化財団が7月21日に発表した同刀剣の取得のため、市が立ち上げた「山姥切国広縷縷(るる)プロジェクト」の一環。刀剣の購入金額3億円のうち1億円は同プロジェクトで募る。募集期間は10月31日までの2カ月間。1日15時にスタートし、寄付額は開始3時間で3000万円を突破した。72時間後の4日15時時点では、目標額の6割を超える6084万円を集めている。
CF支援者への特典は、刀剣の共同オーナー証や特別展での優先予約券などの返礼品を組み合わせた6種類と返礼品が不要な人向けの1種類。うち募集口数を限る特典2種類は、共同オーナー証(永年)を含む特典(30口、100万円)、同(10年)を含む特典(100口、10万円)で、同(10年)を含むプランは募集口数に達し終了した。
「共同オーナー証」は同刀剣の所有権を伴わない。この表記になったことについて、市のCF担当者は「他自治体の先行事例を参考にして決めた」と話す。
早川尚秀足利市長は8月21日の定例記者会見で「7月のプロジェクト発表以来、応援の声を数多く聞き、とてもありがたい。この刀を足利市の宝として末永く守り、適切な環境で保護管理することはもちろんのこと、今後は、調査研究を進めて特別展として成果を発表したい」と話した。
同CFは、個人が支援を行った場合、ふるさと納税の対象となる。ふるさと納税の制度上、足利市民は有償の特典を受け取ることができないため、注意が必要。