足利のボランティア団体「足利里山友の会」が1月14日、大岩山(足利市大岩町)の植林地帯に防獣ネットを設置した。
同団体は、2021年同市両崖山(西宮町)で類焼面積約167ヘクタールの被害を出した足利市山林火災を機に「安全登山と山のモラル向上」を目的に発足した。LINEオープンチャット「足利里山通信」に参加するボランティアメンバーで構成され、山情報の共有や見守りなどを行う。
2022年11月、大岩山で桜の植林ボランティアを行っていたメンバーは、防獣ネットが2カ所破損しているのを見つけた。防獣ネットを補修し、現地を調べた結果、ニホンカモシカが植林を食い荒らしていることが分かったという。
今回の活動は、群馬県みどり市で工務店を経営する石川信義さんからネットなどの資材提供を受け、実現した。作業当日はボランティア21人の参加があり、大岩山駐車場内の展望台「天空テラス」下の斜面で破損していたネットを25メートルにわたって張り替えた。
大岩山多聞院最勝寺の沼尻了俊事務局長は「大岩山自体がお寺となっているため、手入れするには人手も足りなければ時間も費用もかかる。山火事を機にご縁がつながり、ボランティアで補修を行っていただけることは大変ありがたい」と話す。
同団体メンバーの中井誠さんは「これでニホンカモシカから植林池帯が守られたので、今後は桜の成長を見守っていきたい。植えた桜が満開になる日を心待ちにしている」と期待を寄せる。