足利大学付属高校建築科の生徒により製作された鑁阿(ばんな)寺の伽藍(がらん)配置模型が12月11日から、足利市役所(足利市本城3)本庁舎1階市民ホールで展示されている。
延べ65人の建築科の生徒が約11年かけて製作した課題研究の作品。2017年には県の課題研究発表会で2位、北関東大会では最優秀賞を受賞した。今回、市役所を訪れる人に市が誇る数多くの文化財に対しての興味関心を高めてもらうきっかけづくりを目的として、展示されることになった。
同校は、教育理念でもある和の発揚に重点を置き、仏寺行事との関わりが多い。鑁阿寺が2006年に「日本の名城100選」に選ばれたことを期に「なぜ寺院が名城になったのか」という疑問が研究スタートのきっかけとなった。今年3月まで建築科で教鞭(きょうべん)をとっていた森茂行さんは「生徒が実際に現場に行って古き建物の作りを深く理解できる研究となった」と話す。部活動や資格取得に励む生徒も多くいることで時間外の制作作業が取れず、週2回の授業時間内で製作に取り組んだ。100分の1の大きさを再現した模型に「現物に近いものができたと思う」と森さん。
初年度の生徒は鑁阿寺を測量し、土台となる板を組み立てていくことから始まった。当初は6年での完成を見込んでいたが、思いの外時間がかかってしまったという。石や歩道などを組み立てる上での細かい作業が、完成までに多くの時間が経過した理由の一つだという。森さんは「ここはあの生徒が頑張っていたなと当時の生徒の顔が思い浮かぶ」と完成した模型を見て話す。
開場時間は平日の8時30分~17時15分。入場無料。来年1月25日まで。その後、模型は足利大学看護学部本城キャンパス(本城3)で常時展示される。問い合わせ先は足利大学付属高校建築科(TEL 0284-71-1285)。