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足利出身のシベリア抑留者手記、電子書籍で公開 挿絵と共に記録残す

息子の浜田陽一さん

息子の浜田陽一さん

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 足利出身で第2次世界大戦後にシベリアへ抑留された浜田唯次郎さんの手記「『忘れえぬ』日ソ戦石頭予備士官候補生シベリア北朝鮮抑留記」が10月18日、電子書籍サイトで公開された。

浜田唯次郎さんは1990年からスケッチを7冊書き、それを元に自伝を執筆した

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 浜田さんは1924(大正13)年生まれ、足利市出身。1944(昭和19)年10月、19歳で赤紙(召集令状)が届き、北支派遣軍独立第25大隊として中国北部へ配属。終戦後の1945(昭和20)年9月、旧ソ連の捕虜となり、シベリアと北朝鮮の強制収容所(ラーゲリ)へ送られた。1946(昭和21)年12月に復員後、家業を継ぎ、レコード店を営む傍ら、栃木県レコード商組合会長などを歴任。2004(平成16)年に80歳で亡くなった。

 今回公開された本は、浜田さんが1997(平成9)年12月に同名で自費出版したものを元に長男の浜田陽一さんが電子データ化した。電子書籍化のきっかけについて陽一さんは「電子書籍化は以前から考えていた。今年は、ウクライナ情勢や12月に映画『ラーゲリより愛を込めて』が公開予定で、シベリア抑留の関心が高い。父の手記を多くの人に読んでもらいたいと思った」と話す。

 手記は、召集令状が届いた場面から始まり、訓練や実戦の経験、終戦を8月25日に知ったこと、強制収容所での過酷な生活、2年ぶりに故郷の足利へ帰った情景が浜田さん直筆の挿絵と共に書かれている。後書きに「今の若者にこのような犠牲があったこと、そして今の平和は大きな犠牲の上に咲いたことをどうしても知っておいてもらいたいと思う」とも。

 陽一さんは「シベリア抑留の話は子どもの頃から何度も聞いているが、最近の世界情勢を見て、このように記録として残す価値を改めて感じる」と話す。

 価格はKindle版=700円、Kindleペーパーバック(印刷版)=1,100円。

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