足利のギャラリーカフェ「artspace & cafe」(足利市通2、TEL 0284-82-9172)で9月10日、企画展「宇佐美圭司ドローイング展 越前のアトリエから」が始まった。
宇佐美圭司さんは大阪府出身。高校卒業後に画家を目指し、1963(昭和38)年、初個展を東京の南画廊で開いた。国内外で活躍し、2002(平成14)年には芸術選奨文部科学大臣賞を受けた。多摩美術大学、武蔵野美術大学、京都市立芸術大学などで教授を務め、「絵画論(筑摩書房)」など多くの著作がある。
企画展は昨年に引き続き2回目。1998(平成10)年~2000(平成12)年の未発表のドローイング作品8点を含む13点を展示する。展示に関連して、宇佐美さんの愛用した筆や絵の具、ペンなどの画材を展示するコーナーも設ける。
未発表作品は、2012(平成24)10月の逝去後に 、福井県越前町のアトリエで見つかったもので、作品の選定を宇佐美さんの家族と同画廊オーナーの岩本圭司さんが共同で行った。岩本さんは「作品を選びは、サインがあることで『完成』とみなしたであろうもの、やわらかな水彩の色合い・透明感が宇佐美作品の魅力を感じさせるもの、の2点を意識した」と話す。「円形劇場」をテーマにした未発表のドローイング8点は、店内両側の壁面に展示する。
岩本さんは「宇佐美圭司さんは日本の現代アートの一時代を築いた美術家。今展は、これまで人の眼に触れていない作品を展示する良い機会となった。ぜひ足を運び見てほしい」と来場を呼びかける。
開催時間は11時~18時(最終日は16時まで)。月曜・火曜定休(祝日は営業し、翌日休 )。入館無料。10月10日まで。