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足利のギャラリーカフェが3周年 故宇佐美圭司さんの制作と生活に密着した写真展も

「artspace & cafe」代表の岩本圭司さん夫妻

「artspace & cafe」代表の岩本圭司さん夫妻

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 足利のギャラリーカフェ「artspace & cafe」(足利市通2、TEL 0284-82-9172)が7月27日、3周年を迎えた。

白い壁面や柱にモノクロームの写真を展示

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 店主の岩本圭司さんは静岡県出身の造形家。2011(平成23)年~2017(平成29)年に「大岡信ことば館」(静岡県三島市、現在は閉館)の館長を務めた経歴を持つ。2018(平成30)年に足利市立美術館で詩人・吉増剛三さんの展示デザインに関わった。翌2019年、足利にIターン。現代アートの企画展を開くギャラリーとカフェを兼ねる同店をオープンし、夫婦で運営している。

 この3年間で60回の企画展を開いたほか、演奏会なども行った。店内ではアートや音楽と共に、岩本さんが独学で学んだカレーなどの南インド料理やコーヒー、チャイ、ラッシーなどを提供する。

 8月3日から、岩本さん自身の写真展「宇佐美圭司のふたつのアトリエ」を開いている。日本芸術大賞などを受賞した画家・故宇佐美圭司さんの、東京都国立市と福井県越前町の2つのアトリエをテーマに、2009(平成21)年~2011年の3年間で撮影した26点の写真をモノクロームで展示する。

 岩本さんは、2011年6月、大岡信ことば館の館長だった際、「宇佐美圭司 制動・大洪水」展企画中に、宇佐美さんからがんを患ったことを打ち明けられた。亡くなる2012(平成24)年10月までの約1年半、何度もアトリエに通い、時間が許す限り制作活動や暮らしに密着し、「かけがえのない時間を過ごした」という。宇佐美さんが病と闘い、最期まで制作に取り組んだ姿を写真と映像で残した。同展では、生前の宇佐美さんを捉えた姿やアトリエでの様子、アトリエにまつわる風景や画材など、「画家としての活動」や「日常の暮らし」を捉えた写真から「空気感」「写真の奥深さ」の観点から選んだ作品を並べる。

 岩本さんは「オープンしてからあっという間の3年間だった。展示を喜んでもらえ、人の輪が少しでも広がったとしたら、当初の目的がかなえられたかなと思う。これからもアートと飲食で人と人をつなぎ、地域にもっと定着する場にできれば」とほほ笑む。

 営業時間は11時~18時。月曜・火曜定休(祝日の場合は営業、翌日休)。写真展「宇佐美圭司のふたつのアトリエ」は8月21日まで。

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