企画展「あしかがの歴史と文化 再発見!-鎌倉殿の義弟 足利義兼の祈り 大日如来坐像(ざぞう)-」が7月30日、足利市立美術館(足利市通2)で始まった。
いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会開催記念で開く特別展。足利市の縄文時代~鎌倉時代にスポットを当て、ゆかりのある文化財を展示する。長期にわたり時代をまたぐ展示は、同館では初めて。足利氏2代目の足利義兼が運慶に作らせたとされている国重要文化財「大日如来坐像」が32年ぶりに地元で展示されることでも開催前から注目を集めていた。
縄文時代の土器や石器~鎌倉時代の仏像など、足利市・栃木県教育委員会・東京国立博物館の所蔵品、合わせて約400点を展示する。展示する文化財に合わせ、関連する遺跡や古墳、仏像に関する注釈や資料を合わせて掲示。来場者に古来続く「足利の歴史と多彩な文化」を知ってもらい、再発見してもらう機会とすることを目的とした。
開催に先立ち行われた内覧会では、研究の第一人者であり、「仏像のひみつ」(朝日出版社)などの著者でもある半蔵門ミュージアム(東京都千代田区)の山本勉館長が大日如来坐像の解説を行った。市文化課の齋藤和行さんの案内で展示室を回り、来場者らは解説に興味深く耳を傾け鑑賞していた。
齋藤さんは「縄文時代のカラフルな装飾品や土偶、古墳時代の埴輪(はにわ)など、当時の技術の粋を生かして作られており、はるか昔の生活が生きるために必死だっただけではなく、生活の彩りや祭の存在など、豊かさもあったことを感じさせる。夏休み期間でもあり、多くの方にこの展示で足利の歴史や文化を再発見し、楽しんでほしい」と話す。同課では、地元の歴史により親しんでもらおうと、小中学生用のパンフレットも製作した。
初日に家族で来場した八椚町の遠藤佑理さんは「中学校で先生から勧められ、パンフレットをもらった。実際に展示を見て回ることで、教科書での勉強だけでは得られないことを学べて良かった。歴史にますます興味が湧いた」と話した。
開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。休館日は月曜(9月19日、10月10日を除く)、8月12日、9月20日。観覧料は一般=710円、高校・大学生=500円、中学生以下無料。10月10日まで。