足利市とコーエーテクモホールディングス(神奈川県横浜市)の包括連携協定事業第1弾「まちの先生」が1月22日、足利市生涯学習センター(足利市相生町)で開かれた。
シリーズ累計売上1000万本の人気歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」「三國志」や、アクションゲーム「三國無双」などを手掛ける同社。同市出身の襟川陽一社長は、前身である「光栄」を足利市で創業。NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では「シブサワ・コウ」名義で3DCG地図の監修を担当している。昨年、足利市制100周年を迎えるに当たり、同市と包括連携協定を結んだ。
講師は300万本以上を売り上げた人気ゲーム「ファイアーエムブレム風花雪月」や、「信長の野望・新生」の開発にも携わる劉迪(りゅうみち)さん。ゲームができるまでの流れや、ゲーム制作に携わる主要な6つの役割を、動画やイラストを交えながら解説した。参加した約60人の生徒らはスライドを見つめ、時折、劉さんのコメントを書きとめるなど、集中して講座を受けた。
質疑応答では「クリエーターになるために必要なものは?」「制作にモチベーションが保てないときはどうしているのか?」や、就職に向けての具体的な質問が相次いだ。劉さんは「ものづくりという体験を、何でもいいので経験しておいたほうがいい」「最後までこだわって熱意を持つ人が活躍できる」などと回答。「みんなはどんなゲームをやっているのか、流行しているゲームを教えてほしい」と劉さんから質問する場面もあった。
講義を終え、劉さんは「ゲームは楽しいだけでなく、人の心を豊かにすることができる。参加した子どもたちがゲームクリエーターになって活躍し、世界中の人たちの心を楽しませてくれたら」と期待を込める。
市内から参加した蓼沼(たてぬま)諒也さんは「プログラマーになりたい。これまで一つのゲームを深くやりこむことはなかったが、今日の話を聞いて、こだわってやりこんでみようと思った。このような機会があれば、またぜひ参加したい」と話していた。