令和2年度人権問題講演会「SDGsとジェンダー~みんなではじめよう!未来につなげよう!~」が3月6日、足利市民プラザ(足利市朝倉町)で行われた。
足利市と同市女性団体連絡協議会が主催。講師の大崎麻子さんはアメリカコロンビア大学国際公共政策大学院を修了し、国連開発計画でジェンダー平等と女性のエンパワーメント推進を担当。世界各地でプロジェクトを手掛けた経歴を持つ。現在はフリーのジェンダー専門家として国際機関、省庁・自治体のほか、メディアなどで幅広く活動している。
大崎さんは講演の中で、SDGsの理念ができた経緯や、背景にある哲学の中でジェンダーがどのように捉えられ、位置付けられているのかを説明。女性が自己決定権を持つことで社会に起こる変化などに言及し、「ジェンダー平等を達成し、全ての女性の地位向上・活躍を実現することは、『誰一人、取り残さず』に『続かない世界を、続く世界へ』というSDGsのキーワードでもある」と述べた。ジェンダー平等を実現するためには、「ジェンダーの観点から物事を分析し、障壁があれば取り除いていくアプローチが必要」と話し、実際に国内でジェンダーギャップの解消に取り組む自治体の紹介も行った。
当日はあらかじめ申し込んでいた約120人が参加し、静かに耳を傾ける姿が見られた。講演後の質疑応答コーナーでは、男性高校教諭から、学校現場におけるジェンダー教育に関する質問が寄せられた。市内から参加した50代の男性は「チラシを見て申し込んだ。SDGsという言葉をざっくりとは知っていたが、どんなものか興味を持っていた。講演に参加してより理解が深まった」と話していた。