足利市医師会館(足利市本城)で9月9日、足利市医師会付属准看護学校の生徒を対象とした「盲導犬ふれあい教室」が行われた。
「障がいを持つ人の実体験に触れ、視野を広げてほしい」という目的で、昨年に引き続き2回目の開催となる。卒業年度に当たる2年生の生徒24人が参加した。
前半は、障がい者と健常者の社会参加を目的として活動する「ガッツの会」代表で、自身も「レーベル病」により30歳で視覚障がい者となった前原武雄さんによる講演の他、視覚に障がいをもつ2人が講師となり、視力を失った経緯やそれに伴う心境の変化、現在の生活などを話した。
後半は東日本盲導犬協会の職員が、盲導犬の基礎知識や「盲導犬の一生」についてビデオを使って説明し、実際の訓練の様子などを再現して見せた。目の不自由な人や仕事中の盲導犬と接する際の注意点、困っているときのサポートの方法についての具体的な内容に、生徒たちはメモを取りながら真剣に耳を傾けていた。
質疑応答では、生徒全員が順に質問し、講師らがそれぞれ丁寧に回答する時間も設けた。メインとなった歩行体験では、生徒らがアイマスクをつけて目の不自由な状況を疑似体験し盲導犬と歩いた。「思ったより(盲導犬が)早かった」「少し怖かった」「貴重な体験ができた」などの声が聞かれた。
同校の担当理事、柏瀬眼科(相生町)の柏瀬光寿院長は「体験したこと、耳にしたことが記憶のどこかに残ってくれたら。何かの時に今日学んだことを役に立て、行動につなげることで社会が良くなっていくのでは」と締めくくった。